家づくりは夫婦の共同作業。対立を避けるために考えるべきことは?
「男は外で働き、女は家を守る」という風習が根付いていたかつての日本では、「家を守る」立場の女性が主導して、家の間取りや細かな設えなどを決めていく。
そんな家づくりが当たり前でしたよね。
しかし、女性の社会進出が進み、共働き家庭が増えた現代においては、家事も子育ても夫婦で協力して進めていくのが一般的になりつつあります。
男性側も「すべてキミに任せるよ」ではなく、「リビングはこんなテイストにしたい」など明確なビジョンを持ち、対等な家づくりを望む方が増えているのも事実。
そこで今回は、夫婦二人三脚で円満に家づくりを進めていくために、気を付けておきたいことを考えてみます。
男だって、家で過ごす時間を快適に過ごしたい!
平日は残業や接待で午前様の帰宅は当たり前、休日もゴルフで終日家を空けっぱなし。
そんな昭和のお父さん像は、もはや過去の話です!
現在の住宅市場を牽引する30代~40代の男性は、とても生活を大切にしている傾向が見られます。
それは、仕事以外の時間、つまり家で過ごす時間に重きを置いているということです。
以前のように「家づくりは妻に任せる」ではなく、ご自身が「どんな家に住みたいか」、「家で何をしたいか」などしっかりとイメージを持っている男性が多いので、どちらが主導権を握るではなく、夫婦一緒に家づくりに向き合っていくことが大切になってきています。
女性が重要視しているポイントをチェック!
男性は趣味の時間を過ごす場所であったり、書斎であったり、仕事から帰宅してくつろぐリビングであったり、暮らしを充実させるための空間づくりを求めるケースがよく見られます。
それに対して、女性は暮らしを便利にするための間取りや家事動線を重視される方が多く、そこで意見の相違が生じることがあります。
特に共働きの場合、働く女性にとって家事の時短はマスト!
そんな女性が求める家づくりの条件について、以下にいくつかご紹介します。男性はぜひ参考にしてみてくださいね。
平屋の暮らし、憧れるなぁ…。
寝室や子ども部屋は2階という概念が根強くありますが、女性の本音としては、「2階に上がるのは億劫。
朝起きてから寝るまで、すべて1階で済ませるのがラクチン」という方も多いのです。
お子さんが独立した後、2階は使わなくなる可能性も考えると、十分な土地の広さがあれば、平屋という選択肢もアリですね。
日当たりの重要性、分かって~!
日中、家事などをして家の中で過ごす専業主婦にとって、日当たりはとっても重要!
仕事で日中家を空ける男性にとって、家づくりにおける日当たりの優先順位は決して高くないかもしれませんが、ここは奥様の立場に立って、家に太陽の光がしっかり入る間取りを一緒に考えましょう!
生活環境の整った立地を求めます!
間取りやインテリアなどは打ち合わせをしながらあれこれ変えたり、施工中にも軌道修正したりできますが、土地は1度購入したら、もう変えられません!
だから、土地選びも夫婦でしっかり検討することが大切です。
土地の強度や広さ、形などはもちろんですが、学校や病院、公園、スーパーマーケットなどの商業施設が近隣にあるか、駅やバスの停留所からの距離はどのくらいかなど生活環境をチェック。
子どもを安心して遊ばせることのできる環境を!
女性にとって、やはり防犯面は押さえておきたいポイントです。
特に小さな子どもがいる家庭なら、日中、お庭や家のまわり、あるいは近所の公園などで、子どもを安心して遊ばせることができるか。
立地環境はもちろん、塀の高さや種類、植栽など、外構も防犯面を考慮した設計が求められるかもしれませんね。
整理整頓は家族みんなでしましょう!
新築のうちは、常に美しく保とうとお掃除やお片付けも頑張るはず!
しかし、それをずーっと続けるのは大変です。
「なんで片付けてくれないの?」なんて、パパやお子さんについイラっとしてしまうこと、ありますよね。
ですから、家族みんなが自発的にお片付けをするような収納の配置を考えてみましょう。
パパ、お子さんそれぞれの生活動線上に収納をつくれば、きっとお片付けもラクチン&進んでするようになるはずです。
もし、意見が対立してしまったら、どうすればいいの?
お互いに配慮はしていても、やはり譲れない部分はあり、対立を避けられないこともありますよね。
そんなときの解決策や、そうならないための予防策について、いくつか例を挙げてみます。
夫婦それぞれの優先順位を発表しあうこと。
家づくりにおいて希望すること、優先順位別に上から10くらいの設備や項目を出し合ってみましょう。
そうすることで、お互いが何を重要視しているか分かりますし、共通点もでてくると思います。
それぞれのトップ事項はマストとし、なるべく上位のものは優先するように話し合いを進めることができます。
家にいる時間が長いほうの意見を優先。
特に生活動線や間取りについて言えることですが、専業主婦の夫婦の場合は、在宅時間が長いので、できるだけ奥様の要望をできるだけ取り入れるようにしましょう。
共働きの場合は、平日の家事や育児を担う割合が多いほうの意向を優先したほうがいいですね。
話が行き詰ってしまったときは、実例を見てみること。
机上の打ち合わせではどうもお互いの考えていることが理解できなかったり、イメージが湧かなかったりすることもあります。
そんなときは、実際にモデルハウスなどに行ってみることをおすすめします。
「なぜ妻はキッチンの幅にこだわるのか」など、理解できなかったお互いのこだわる部分についても、実物を見ることで「そうだったのか!」と相手の気持ちが分かることもあると思います。
互いのこだわりや気持ちは「見える化」でスムーズに!
社会人の鉄則である「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」ですが、夫婦の間においても大切なことですよね。
一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、「相手のことは言葉にせずとも分かる」と思ってしまいがちですが、言葉が足りないことで生じた考え方の違いが、大きな溝に発展してしまう危険も。
特に家は建ててからでは遅いので、「こんなことまで言う必要ある?」と思うことでも、とにかく何でも口に出したり、ノートに書いたり…。
家づくりを「見える化」していきましょう!